2011年8月30日火曜日

超小型犬の脛骨骨折


 脛骨の骨折に対しては、各種固定法が選択できます。ピンニング、プレート、創外固定、インターロッキングネイルが選択可能です。
 今回のような幼若な動物の場合、髄内ピンによる固定で十分癒合します。 サイズがあまりに小さいため(0.88kg、チワワ、2.5ヶ月令)、いろいろな手術法を選択する余地がありません。 脛骨近位内側で膝蓋靱帯と内側側副靱帯の間にピンを刺入していきます。少し細めの髄内ピンを使用し、まず脛骨に対して直角に刺入、角度を変えて脛骨遠位に向けて刺入していきます。ここで一度ピンを抜き、脛骨反対側の皮質面を貫通しないように、ピンを反対側に持ち直してから、あらためて脛骨遠位に向けて刺入していきます。皮質内面にあたったときにスムーズに刺入できるように先端は少しカーブをつけておきます。
 ピンニングは固定力が弱いため、ロバートジョーンズ包帯などで術後は2〜3週間ほど外固定を行います。3週間ほどの運動制限で骨癒合が期待できます。癒合が確認できたらなるべく早く外固定を除去してリハビリを開始し、抜ピンします。