2013年4月24日水曜日

猫の中足骨骨折


 第1度の開放骨折(矢印)があり紹介医のもとで1週間ほど治療してから来院しました。皮膚に穴が開き骨が露出したものを開放骨折と呼び、皮膚の裂傷が1cm以下、 傷口がきれいで損傷が最小限、 内から外側に向かって創が開いているものを第1度の開放骨折と分類されています。6〜8時間以内であれば内固定は可能とされています。
  第Ⅱ趾、第Ⅲ趾には既に癒合した像がみられるので、過去にも同部位を骨折していたようです。
 三日月型の皮膚切開を行い、血管や腱を注意深くかきわけ骨を露出します。成猫の中足骨の第Ⅲ趾は1.5mmのプレートで固定できます。第Ⅳ趾、第Ⅴ趾はそれぞれ1.0mmと0.8mmのKワイヤーで固定しました。猫の中足骨の髄腔は犬に比べると広く順行性にピンを刺入することが容易です。第Ⅴ趾は骨折端より逆行性に刺入し関節面を使用していますが、理想的には第Ⅳ趾同様「slotting technique」で行うべきです。

 術後はロバートジョーンズ包帯か副木かなにかで固定してもらったはずですが、どうしたか忘れました。
 術後数ヶ月してプレートのみ残して抜ピンしたそうです。