2014年3月22日土曜日

股関節脱臼

  トリミング中に爪を切っている際に股関節を脱臼した太めのポメラニアン。他院にて非観血的に整復するが再脱臼し、「このままにしましょう」と言われ当院を受診しました。右が初診時のレントゲン写真。左の股関節が脱臼しています。頭背側方向に脱臼した通常みられるタイプの脱臼です。当院でも1回、非観血的に整復しましたが、6日目で再脱臼したため、観血的に整復することにしました。
手術は経関節創外固定を選択しました。仙腸関節、大腿骨大転子、腸骨体の順にポジティブスレッドピンを挿入し、カーボン製の連結バー、SKクランプで固定します。3本のピンがなるべく平行になるように挿入すると安定が良くなるとされています。術後は通常の創外固定のケアが必要になります。
3週間のケージレストを行い、創外固定を外します。脱臼した患肢は、術後、可動域は狭いものの接地して歩いているため、どーしても大腿骨大転子に挿入したピンのルーズニングが起こります。
 どのような手術を行っても再脱臼の可能性はありますが、本症例はその後の経過は順調で約1年経過しても再脱臼はみられていません。