2014年1月9日木曜日

歯科診察お休みのお知らせ

1月10日(金)〜12(日)まで歯科診察をお休みさせていただきます。ご迷惑をおかけします。その他、通常通り診察しております。

2014年1月8日水曜日

モンテジア骨折 猫

あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
今年もよろしくお願いいたします。

  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

尺骨が骨折し、かつ橈骨頭の脱臼を併発した損傷をモンテジア骨折といって比較的稀なタイプの骨折とされています。今回ご紹介いただいた猫を含め、記憶にある中で3例目でしょうか(全て猫だったと思います)。本症例は尺骨も脱臼していました。尺骨の脱臼がなければ、髄内ピンとワイヤー固定で整復可能と思われます。今回は尺骨を固定後に、肘関節の脱臼を整復しなければならないため、最初からプレート固定を計画します。尺骨の骨幹と橈骨は橈尺骨間靱帯で強固に結合しているため、尺骨を正確に整復固定できれば橈骨は正常な位置に整復されます(①モンテジア骨折による脱臼は猫で多く、輪状靱帯と外側側副靱帯が外側上腕骨顆に一緒に付着しており、同時に2つの靱帯が損傷しやすいこと②猫では近位橈骨と尺骨を繋ぐ骨間靱帯が欠如しているため橈骨頭が分離しやすいとSURGEON98;整形外科領域の救急医療に記載されていました)。猫の尺骨は薄いため、外側にプレートを適用します。尺骨外側面はほぼ真っ直ぐでベンディングは必要ありませんでしたが、細くて滑車切痕部に出っ張りや骨幹部には凹みがあるため、スタンダードのプレートよりも圧迫力に依存しない2.0LCPを選択しました。プレート適用時に整復位を維持することが難しかったため、髄内ピン(1.0mmKワイヤー)を使用して仮固定を行いました。
尺骨を固定後、肘関節脱臼の整復を徒手にて試みますがまったく動きません。そこで橈骨頭部に小切開を加えフレアー骨膜起子を用いて梃子の原理で整復しました。屈伸、内旋、外旋を行い安定していたので、靱帯の置換は行わず、そのまま閉創。術後はケージレストのみで外固定は行っておりません。レントゲン上、整復後の関節内に剥離骨片らしきものがみられました。
 貴重な症例をご紹介いただいたI先生、勉強させていただきありがとうございました。