2011年10月5日水曜日

超小型犬の橈尺骨骨折


 超小型犬の増加に伴い橈骨尺骨の整復手術の割合が骨折手術の中でも多くなっています。橈骨の整復には骨プレート、ピンニングが一般的だと思います。創外固定を行う先生もいます。 超小型犬における橈尺骨骨折では、骨癒合不全が多いことは周知の事実です。1)解剖学的に完全な整復、2)軟部組織の損傷を極力避けたアプローチ(血行の維持)と3)強力な内固定、4)早期の運動機能の回復が癒合不全を避けるポイントとなります (AO/ASIFの4原則)。ピンニング・創外固定ともに手術後の管理が大変なため、この部位の骨折は骨プレートにて固定しています。
 ポメラニアン、2.5ヶ月令、1.8kg。橈尺骨遠位1/3の横骨折。SYNTHES社製ミニDCPプレート2.0(幅5.0mm,厚1.2mm,6穴)を使用し∅1.5mmのスクリュウにて強力に固定しました。術後にギブスを巻く必要もなく、包帯交換も必要ありません。数日間のケージレストによる運動制限は必要ですが、手術の翌日からトイレ程度の短い散歩も可能です。ヒトでは考えられませんが、ほとんどの症例で手術後3日もすれば、ほぼ正常歩行が可能になります。成長期の骨折は約1ヶ月ほどで骨癒合が期待できます。

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