2013年7月2日火曜日

猫の脛骨近位の骨折



 1歳前後の猫の脛骨近位骨折の症例をご紹介いただきました。知人に預けている際にカーテンによじ登り、落下して骨折したようです。SYNTHES製のミニT型プレート動物用でギリギリ固定出来そうかな?
 レントゲン写真の側面像を見ると脛骨粗面の剥離骨折も併発しています。







 実際開けてみると脛骨近位の Salter-Harris(ソルターハリス)Ⅱ型(矢印) の成長板骨折と脛骨粗面の剥離骨折( ソルターハリス Ⅰ型)の併発でした。



AO Principles of Fracture Management in the Dog and Catより
 プレート固定はあきらめ、上図のようにクロスピンとテンションバンドワイヤーによる固定を併用する形で整復しました。




 術中写真と手術直後のレントゲン写真です。脛骨近位は内側からピンを2本、外側から1本で固定しました。ピンが遊走しないように、MIZUHO製のピンキャップでとめています。脛骨粗面は定石通りです。術後は特にギブス固定などは行っていません。
















 術後2ヶ月で跛行もなく、レントゲン写真上、順調に癒合しているようなので、クロスピンのみ抜ピンしました。
 貴重な症例をご紹介いただいたA先生、大変勉強になりました。ありがとうございました。



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