2011年6月29日水曜日

虹彩囊胞(Uveal Cysts)


 12歳の黒ラブです。前眼房内に遊離した複数の黒っぽいマスが6時の位置に観察されます。眼脂や結膜に充血はなく、視力に異常はありません。本症は虹彩あるいは毛様体から発生し、中年から老年の犬によく見られます。 ゴールデン・レトリバー、グレート・デン、ボストン・テリアが好発犬種とされています。囊胞が角膜内皮に接触し角膜浮腫を起こしたり、瞳孔を塞いでしまい視覚に問題が起こったり、虹彩を前方に変位し線維柱帯網を閉塞してしまうほど囊胞の数が多く、将来的に緑内障を引き起こしそうな場合を除き、通常は無処置で除去・吸引するような手術を行うことはありません。

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