2011年2月17日木曜日

Color Dilution Alopecia(カラーミュータント脱毛症)


 メラニン分布異常および毛の形成異常に関連する希釈色を示す毛の毛包異形成と教科書には説明されています。常染色体劣性遺伝が示唆されていて、ブルー(青灰色)やフォーン(薄茶色)、要するに薄い曖昧な毛色の犬種に見られます。最近は珍しい毛色の犬に人気があり、次々と販売されていますから、今後珍しい病気ではなくなるかもしれません。
 本症例はチワワですが、ヨーキー、ダックス、イタリアングレーハウンドなどにも見られます。出生時には正常に見えますが、6ヶ月令から2歳令までの間に体幹背側部の脱毛が始まり、部分的または完全な脱毛に進行しますが、注目すべきは、上写真の子のように茶色の毛の部分は全く正常で影響を受けませんが、グレーの毛の領域のみ薄毛になっています。
 病変部の毛の形態学検査(抜いた毛の顕微鏡検査)で無数の大型メラニン凝集が見られることにより診断されます。
 脱毛の進行を阻止したり、発毛を促進するのに有効な治療法は知られていません。でも発毛しないわけではなく、発毛しても毛の強度が弱いために直ぐにちぎれてしまうと考えて下さい。日常のスキンケアに注意をしてもらう以外ありませんが、美容上の問題だけで、生活の質には全く影響しません。

0 件のコメント:

コメントを投稿